ひもぱん続き(アラセス)



セスの口車に乗せられた結果、何故か紐パンを穿いたまま走って帰宅することになった。
色々限界だったオレは家に着いた途端にとにかく着替えようとズボンを脱いだ。
不意打ちのようにベットに引きずり倒され、しかも朝の話が全部ウソだっただなんて聞かされた。
今日一日を振り返ってみると、セスの野郎どこまでふざけてやがる。

結局、文句を言うより熱を鎮めることを選んだオレもオレだけど。

「刑事さん、今日は最後までエスコートさせてくれませんか?」
「え?」
「全部僕に任せてほしいってことです」

何が楽しいんだかオレを見降ろしたままにこにこにこにこ笑ってやがるセス。
なんだかもう警戒するのもバカバカしくなって、ここまできたからにはとことん付き合ってやる覚悟を決めた。

「……今日だけだぞ」
「決まりですね」

渋々頷いたオレにセスが弾むような声で返すと急に手足の自由が利かなくなった。

「念のため圧縮した空気で覆っただけです。最初だけですよ、僕も最後までそっちに意識を割いていられる自信はありません」

オレの腹に跨ったまま上体を倒してくる。
唇を合わせた瞬間、弾かれたようにセスが顔をあげた。
忌々しそうにオレの胸元を睨む。

「ああ、ブリューナクの力……。こんな時だけは鬱陶しいですね」

勝手なやつだ。
それを欲しがってオレに近づいてきてたクセに。

「そういえば気になってたんですが、刑事さんの肌は何処に触れても火傷の症状を負いますけれど、貴方の体液はどうなんでしょうかね?」

セスが軽い思いつきのように首を傾げると、突然口に指を突っ込まれた。

「んんっ!?」
「ちょっと失礼します」

手加減も遠慮もない動きで乱暴に掻きまわされる。
あまりに急なことで頭が真っ白になった。

「んーっ!んンーっ!」

苦しくて生理的な涙が滲む。
噛まないようにとそれだけに必死になって、あとはただ指の動きに翻弄された。
息苦しさが限界になったところでセスの指が引き抜かれる。

「はぁ…はぁ…っ…てめっ…はっ…」

唾液塗れになった指をオレの首筋にこすりつけながらセスが薄らと笑った。
それから手を自分の口元まで戻し、オレに見せつけるように舐める。

「ふぅん。大丈夫そうですね」

意外そうな声で言うと、おもむろに逆の手を後ろに伸ばした。
布越しに起ちあがったモノを揉まれて絶妙な快感が走る。

「じゃあこっちも体液塗れにしてしまいましょう」
「うぅっ!」
「と言っても既に大分ぐちゃぐちゃのようですが」
「はっ…セス…っ…!」

濡れて意味をなさなくなった下着の肌との隙間に左右から指を入れられゾクリとした。
ヤバイ。体中が有り得ないくらいに敏感になってる。
ぐいっと引っ張られるとただでさえきつかった締めつけがさらに食い込みオレを追い詰める刺激になる。

「あァっ!」
「本当にスゴイですね…。まさかさっきの口で感じちゃいました?それともこの下着のせいで?」

引っ張って離す。
それを繰り返されるだけで昂る自分が信じられない。
けれど同時に決定的な刺激が与えられないのがもどかしくてしょうがない。
もう少しでイけるのに。

「ああっ…!セスっ…あっ…ああっ…!」
「今の刑事さん、すごくやらしい顏してますよ」

熱を帯びた声でそう言ったセスの顔に浮かんでいる表情こそ欲情そのものだった。

「さぁ、僕の被害を最小限にとどめるためにもっともっとドロドロになってくださいね」