刑事さんにちゅーの嵐をくらってとろとろになるセス



「セース。セスセスセース。トリックオアトリート!」

ゴミを捨てるために軽食堂から建物の裏に出る。
妙な調子で名前を呼ばれて声の方に視線を向けると、案の定そこにあったのは刑事さんの姿。

「刑事さん?」
「セス、チョコバーは?」

僕のもとに小走りでやってきた刑事さんはにこにこと両手を差し出してきた。
あまりに腑抜けた表情と脈絡の無さに言葉を失う。

「……どうしたんですか?」
「オズはちゃんとくれたからセスも」

この機嫌の良さはどう考えてもおかしい。
いくつかの原因を考え、可能性に思い至る。
……当たって欲しくないなぁ。

「見せてください」

刑事さんがじっとりとこちらを睨む。
ああもうめんどくさい。
僕だって好きで言ったわけじゃない。

「取ったりしませんから。見せていただくだけで結構です」

約束すると刑事さんは楽しそうにソレを前に出した。

「ほら!」
「……正解」

刑事さんのポケットから出てきたのは『アルコール入り』の注意書きが入っている小さな箱。
予想通りだ。
チョコバーチョコバーと強請る刑事さんにこれ以上関わるのは気が進まないが、この状態の刑事さんが他の人の目に留まることも避けたい。
グレイミュージアムにでも連れていって、しばらく大人しくしておいてもらおう。
ざっと頭の中で予定を立てながら刑事さんの手を引く。
だけど結局すぐに足を止めることになった。
一歩も動こうとしない刑事さんを振り返ると、僕と目が合うなり口を開く。

「チョコバー」

呆れた熱意だ。
僕について来れば差し上げますと言えば動いてくれるだろうか。

「生憎ですが持っていません。ですが――」
「じゃあお前でいいや」

告げられた内容を理解する前に繋いでいた手を逆に引かれた。
バランスを崩して転びかけるが刑事さんの体で勢いを止められる。
抗議する間も無く上を向かされると、いただきますと唇を覆われた。

「ん…」

熱い塊りが口の中に入ってくる。
上顎を舐められ舌を吸われる。
角度を変えて何度も。
額や頬、首筋に手の甲や指先まで。

「ちょ…っん…刑事さ…!」

刑事さんが思いつくままにキスを落とされる。
唇が触れるたびにそこに熱が生まれる。

「待っ…てっ、落ち着いて…はぁっ…ください…っ!」

精一杯の気力を振り絞った静止は刑事さんの気に入らなかったらしく、もう一度唇を塞がれ散々絡め捕られた。
耳を甘噛みされて囁かれる。

「いいから黙って喰われろよ」

ぞくりと震えが走り、僕の理性が刑事さんを止めることを放棄した。
刑事さんが僕のズボンからシャツを引き出して腹部を露出させる。
片手で僕を支えながら刑事さんは地面に膝を着き、露わになった肌を美味しそうに舐めると嬉しそうにつぶやいた。

「甘い……」

最悪。
何て性質の悪い酔っ払いだ。

「責任…とって、もらいますからね…!」

刑事さんは応えるように歯をたてた。