白青R18
いつも通りに終わると思っていた夜。
王様の城にヒューがやってきて、入れ替わるようにスカーレットが出て行った。
飽きたと言い捨てていく様がいかにもスカーレットらしくて笑える。
ま、ある意味いつも通りか。
外はもう真っ暗になっているがアイツなら心配ないだろう。
野生動物もその辺の男もアイツの敵じゃない。
後姿を見送り部屋に戻ると、ようやく落ち着いて溜まったモノを処理できると下半身に手をのばした。
後ろの穴に指を入れるのはバンド時代に教えてもらった方法。
「ん……」
ああ、やっぱキモチー。
てっとり早くイイトコだけを弄る。
さすがに女のいるところではヤり辛かったからなぁ。
久しぶりの快感に夢中になっていたせいでノックされるまで近づいてくる足音に気づくことができなかった。
「ルシアン?聞きたいことがあるんだが」
「っ!?ああぁっ!」
驚いた拍子にソコを強く押してしまい、予想外の衝撃で一回目を放ってしまった。
殺し損ねた声は部屋の外まで届いたらしく、ヒューが慌ててドアを開けて入ってくる。
「大丈夫か!?」
見当違いな心配でもしていたのか、妙に焦った様子だ。
けど、中に入ってオレの姿を見た途端、驚きの表情を浮かべて顏を逸らした。
「……すまない」
さすがに察するところがあったんだろう。
かわいいトコあるじゃねぇの。
気まずそうな反応についからかいたくなり、後ろに入れた指はそのまま、もう片方の手で胸を弄るのが見えるように尋ねる。
「いいや?それよりオレに何か用?」
「……前を通ったら声がしたから気になっただけだ。すまなかった」
「バカじゃねーの。夜なんだから大人しく寝ろよバカ。ふらふら出歩いてんじゃねぇ」
「お前の言う通りだな」
意外なほど落ちついた返事に拍子抜けした。
変なもん見せて悪いことしちまったのはこっちかと思ってたけど、これはもしかしてもしかするのか?
内心の期待を隠しながら言ってみる。
「ま、いいや。寝れねぇなら相手してくれよ」
「ルシアン?」
「一人でヤるより二人でヤる方がキモチーし」
「何を言って」
「こっち来いよ。ヤろうぜって言ってんの」
「しかし」
「いいから来い」
躊躇うように返事を濁すヒューにイラついて少し強めに声を出す。
じれったい。今の状態で部屋を出ていってないっていうのがお前の答えだろうが。
オレが本気だということが伝わったのかヒューが眉を寄せながらも了承の返事をよこした。
「……わかった」
なるほど、こういう言い方のほうがこいつには効くのか。覚えておこう。
こっそり脳みそに刻みながら、さっきまで自分で弄っていたところを示す。
「ココ、指入れてみろよ」
教えてやると素直に従った。
「んっ…」
自分とは違う指が侵入してくる感触。背筋に震えが走った。ああ、気持ちイイ。
「動かして」
短く要求するとヒューはすぐさま応じてくれる。
「はぁっ…そう、いいぞ…もっと…」
「ここだな」
コツを掴むのが上手いのか、すぐにオレのイイところを見付け集中的に攻めだした。ヤバイ。
「うあっ!あっ!あああっ!」
あと少しでイケるってところでヒューがピタリと指を止めた。
いつの間にか瞑っていた目を開くとヒューがオレを見つめている。
何でだよ。何でいつもと変わらないツラしてんだ。
少しくらい赤くなってもいいんじゃねぇの。
さっきは可愛いと思ったけど撤回だ撤回。
動きと全然合ってない顔で尋ねられたのはくだらない内容。
相変わらず感情の読みにくい声。
「ルシアン。ハッキリさせておきたいんだが、お前はオレに抱かれたいのか?」
「別に。”ヒューに”ってわけじゃねぇけど。シたいだけ。でもクロトーよりはお前の方が好みかな」
「そうか」
返事はただの相槌でしかなかった。
けどそれでヒューが纏う空気が変わったような気がした。
指が抜かれ、体を反転させられる。ベルトを外す音が耳に届いた。
なんだ、結局お前も乗り気なんじゃねぇか。
「ヒュー、早く挿れて」
待ちきれず自分でそこを開いて見せて催促する。
腰を掴まれたかと思ったら予告なくヒューのモノを突っ込まれた。
「ああッ…!」
一気に押し込まれ、じわじわと引かれる。
余韻を味わう間もなくもう一度。
がつがつと勢いだけのようで、実は緩急をつけた動きにひたすら翻弄される。
たまに捻じ込むように突かれて、その時は涙が出るくらいに気持ちよかった。
「ヒュー、お前何でそんなに上手いんだよっ…!あぁっ!」
「オレが傭兵あがりだということは知っているだろう。戦場では男同士の行為も珍しくない」
「はっ…普段は”興味ありません”みたいなツラしてやがるクセに…んぅ…!」
「そんな男がいるか」
「うぁっ…!」
機嫌を損ねてしまったのか容赦なく一番感じるところを突かれた。ダメだ。すげぇ気持ちいい。
「特にルシアンの事は以前から気になっていた」
「はぁ…は、で、感想は?」
「悪くない」
ヒューが腰を動かすたびに意識が飛びそうになる。もう何も考えられなくなってきた。
「んンっ!あぁあっ!そ、れ、だけかよ…っ」
「一回だけで終わらせるには勿体ない」
ヒューのモノがオレの中で大きくなった。
あぁ、こいつもイくのか。
そう思うとまた快感が込み上げてくる。注がれる熱い熱を感じるのと同時に何度目か分からない精を放った。
BACK
「あれ本当か?」
「どれのことか分からないがルシアンに嘘を吐いたことはない」
「一回で終わらせるには、ってやつ」
「ああ、もちろん本当だ」
「そっか。じゃあ溜まったらまた付き合ってくれ」
「了解した。とりあえずは」
「え?何この体勢」
「一回では終わらせないと言っただろう」
「ちょ、んっ…!そういうイミじゃねぇ…!」
「そういうイミも含めてだ」
「ああっ!」
「オレにだけ抱かれたいと言うようになるまで続けるからな」