刑事さんがファスナーを口で下げようとする。
酔っ払いの特有の緩慢な動きのせいで、わざと焦らされているようにすら思える。
もどかしい。
それでも、あくまでコレは刑事さんの考えを知るためにやっていること。
自分から手を出してしまったら、今まで保ってきた境界が崩れてしまう気がして大人しく見ているしかできなかった。
ようやくファスナーが全部下りると、下着ごとズボンを脱がされて勃ちあがりかけているソコを咥えられた。
結局手を使うなら最初からそうすればいいのに。
口に収まりきれないくらいに僕のモノが大きくなると、刑事さんはあっさりとそこから離れて更に後ろの方に顔を動かした。

「っ…!そこは…っ!」

後ろの穴を舌で慣らされ、唾液で濡れた指が入り込んでくる。
捻るように中を探られてすぐに感じるところを見つけられた。

「―っあ!」
「この声も好き。もっと聞かせてくれよ」
「っあぁ…!あっ!ああっ!」

耐え切れずに声を上げると、執拗にそこを攻められる。
直接触られていないにも関わらず、勃ちあがった僕のモノからはだらだらと液体が溢れ出していた。
もう刑事さんの唾液なのか自分で出したものなのか分からないくらいだ。

「あぁ、セスの好きなところを言うのもすげー好きだなー」
「はぁっ…んんっ…!」
「そういえば、オレばっかり言ってずるかったな。ごめん」

首筋に吸い付かれる。
チリッとした痛みを感じた。
ああ、この人いま見えるところに痕つけた。
文句を言ってやりたいのに、次々に与えられる刺激のせいで言葉が追いつかない。

「セスも言っていいよ」
「刑事さ…っ…!」

主導権を譲るようなセリフとは逆に足を大きく開かされる。
先ほどまで指が入っていた場所に、勃ちあがった刑事さんのモノが当てられた。

「ん…・セス、好き。すげー好き」

僕の反応を確かめるように時間をかけて押し進んでくる。
全部入ると満足したように繋がっている部分を撫でられた。
感情がそのまま出ているような指の動きにぞくぞくする。
刑事さんがゆっくりと前後に腰を動かす。

「好き」

まるで他の言葉を知らないように何度も何度も繰り返される言葉。
洗脳されてるみたいだ。

「好きだセス」
「はっ、あっ、刑事さん、僕も…好き、です…っ!」

思わず漏れた言葉に慌てて自分の口を押さえる。
絶対に言うつもりはなかったのに。
あまりに聞きすぎて僕にも移ってしまったのかもしれない。
刑事さんが嬉しそうに頷く。

「――うん、知ってる」

抱きしめられたまま注がれる熱。
それを全部受け止めると刑事さんの体から一気に力が抜けてピクリとも動かなくなった。
規則正しい息遣いが耳元から聞こえてくる。
……まさか寝ちゃったのか。

「――やっぱり最低」

起きたら絶対責任とってもらおう。
散々勝手なことをしてくれた割に、最後まで唇には触れてこなかった刑事さんの口。
腹立ち紛れにそこにキスを落としてから、疲労感からくる眠気に身を委ねた。