白青
想いに応えて欲しかったわけではない。
知っておいてもらいたかっただけだった。
一度目の告白は聞こえなかったことにされた。
二度目の告白は軽く流された。
三度目の告白も同じ。
四度目の告白で冗談だろと言われた。
五度目の告白に本気かと聞かれた。
本気だと答えたことを後悔しているのかどうか、今でもわからない。
ルシアンはオレの答えを聞いた途端に全ての感情が抜け落ちたような顏になり、ただ「サイアク」とだけ返した。
普段の表情豊かな彼からは想像できないような無機質な声。
「王様よりオレを選ぶ可能性があるヤツなんて、オレは要らない」
淡々と告げられる彼にとっての絶対基準。
思わず一歩踏み出すと即座に拒絶された。
「近寄るな」
絶望が浮かんだ目。
そんな顔をさせたかったわけではない。
傷つけるつもりはなかった。
彼の事情も知っている。
その上で伝えた想いだった。
どうしてこんな結果になってしまったのか。
ただ、酷い間違いを犯してしまったことだけは分かる。
「時間をとらせて悪かった。今の話は忘れてくれて構わない」
「忘れるわけねぇだろ。お前が忘れろ」
「それは出来ない。ただ二度とお前の前では言わないようにしよう」
「誰の前でも言うな」
「お前がそう言うなら」
約束すると、興味は無くなったとばかりに視線が外された。
無言で背中を向ける姿に、オレはそれ以上何も言えないまま部屋を後にした。
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