1:君の誤解を解く方法-ないので諦めてください
「グラルダーはチャラい感じで話してね」
「は!?」
「厳格な方達だからな。元帥方を挑発するのには確かにチャラいほうが良いだろう」
「いや、俺超硬派だし」
「そうそうそんな感じ!すっごいチャラいよ!」
「いかにも軽薄そうですね 」
「よし、お前ら表へ出ろ」
「もう、そんな暇ないでしょグラルダー。わがまま言わないの」
「あと少し話が進んだら切りのいいところで休憩にするから我慢してくれ」
「不謹慎ですね。そんなところまで不真面目にならないでください」
「俺はチャラくねぇーっ!」
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2:君を笑顔にする方法-知ってるので実行中です
「グラルダー遅いね」
「遅いな」
「カーダ寝ないの?」
「そう言うダレンこそ」
「二人ともいい加減にしなさい。心配なのは分かりますが、待ってても出来ることは無いでしょう。特にダレン君、子どもは早く寝なさい。カーダも。貴方が起きてるからダレン君が起きてるんですよ」
「…と言ってもなぁ。」
「ね。」
「待ってることしか出来ないから」
「待ってるんだよねぇ」
「戻ったぞー!つーかお前らなんでまだ起きてるんだ!寝ろ!今すぐ寝ろ!」
「グラルダー!」
「お帰り、グラルダー」
「怪我などはしていないようですね。では貴方も早く休んでください」
「おう、もーとりあえず寝かせてくれ。細かいことは後でいいよな」
「構いません。二人とも貴方の帰りを待って…ダレン君は限界だったようですね」
「なんでこの一瞬で寝れるんだ」
「あー…そうしたら俺が運ぶからグラルダーとサイラッシュは先に寝てくれ」
「手伝います」「手伝う」
「…頼む」
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3:君の気持ちを聞く方法-あるなら誰か教えてください
「ハーキャット!見てたか!?」
「スティーブ!もちろん見てたよ!おめでとう!」
「これで俺も一人前の半バンパイアってことだな!」
「半バンパイアの一人前ってなんか変なの。はは」
「なんだとダレンー!」
「!?」
「あ…いや、違う。わりぃ、前に似てるって言った友達と間違えちまった。ごめんなハーキャット」
「う、ううん!気にしないでスティーブ!とにかくおめでとう!」
「本当にごめんな」
「いいって、気にしないで!じゃぁ僕、カーダと約束があるから行くね!またね!」
「ハーキャット!」
「どうしたのスティーブ?」
「お前、俺に……いや、何でもねぇ」
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4:君の涙を止める方法-なくていいので放って置きます
「ねぇ、サイりゃっ…!」
「ブハッ」
「黙りなさいカーダ。どうしましたダレン君?」
「ごめん噛んじゃった」
「お気になさらず」
「あのねサイラッちゅ…!」
「ダっ…!サっ…!…!」
「カーダ、煩いですよ。ダレン君、呼びにくかったらサイと略してください」
「…慣れるまでそうさせて」
「ええ、もちろんです。それで、あの涙目の失礼な男はどうします?」
「気が済むまで笑わせておけばいいんじゃない?とりあえずツボに入りすぎてそろそろ苦しくなってきたみたいだし。なんかあそこまで笑われるといっそ清々しいよね」
「一理ありますね」
「それでね、サイ。家の裏の壁についてちょっと聞きたいんだけど―」
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5:君を振り向かせる方法-考えるより、一緒に前を向きます
「信用できないか?」
「ん?」
「俺のことだよ。さっきからそいつの側を離れないじゃないか」
「ああ―そういう訳じゃない。ただよくうなされるんだ」
「直ぐに起こせるようにってか。お優しいことだ」
「そういう事でもないよ」
「…なに笑ってるんだよ」
「いや、ダレンと出会ってから驚くことの連続だなと思って―その目は何だよ。何か言いたい事が?」
「いーや!何でもない!はっ。再会祝いだ、誤魔化されてやるよ。その代わりそのダレンとの出会いってやつを聞かせろ」
「あぁ、いいよ。もちろんだ。あの日、バンパイア・マウンテンは―」
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